トラブル要因と対策

現品の状況による原因判定

2.逆圧破損

復動タイプの油圧シリンダではピストン部にUパッキンを2個背中合わせに使用しますが、条件によってこのパッキン間に逆圧(背圧・蓄圧)が発生し、これによりパッキンのリップがチューブとリテーナのスキマに押しだされ、噛み込まれて破損することがあります。とくに対称断面のUパッキンにこの現象が発生しやすく、最近はパッキンを非対称設計にしたりリップ部に蓄圧防止みぞを設けたり して工夫がこらされています。

  • パッキンの状況
    • パッキンのしゅう動側リップが部分的あるいは全周にわたって欠損している。(図D参照)
    • 初期においてはパッキンのリップ上面あるいは谷部のテーパ面にリテーナ角部に押しつけられた圧痕がある。
  • 原因
    • 一次要因(リップ欠損・縦傷・摩耗・熱劣化など)によりパッキンのシール性が低下し、片方のパッキンを通過した油がパッキン間に溜まる。これによって逆圧(背圧)が発生しパッキンをシリンダチューブとリテーナのスキマに押し出し、破損に至る。(図E参照)

逆圧破損・逆圧破損のメカニズム


  • 対策
    • 一次要因(リップ欠損・縦傷・摩耗・熱劣化など)の解決を図る。
    • 逆圧対策形状のパッキンに変更する(図H参照)
    • 両圧用のパッキン(ST・STKシールなど)に変更する。(図I参照)
    • リテーナに蓄圧防止用の小穴をあける。(図F参照)
    • サポートリングを併用する。(図G参照)

蓄圧防止用の小穴・サポートリングの併用


  • ポイント
    • 加圧状態で長時間停止するような条件下で発生しやすい
    • 高温・高頻度の条件下で発生しやすい。
    • 作動油の潤滑性にも起因する。

逆圧対策形状パッキン・両圧用パッキン

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